2008年12月15日月曜日

HTの効果が現れない場合


同じくポリエチレンの重合度466の鎖一本を伸び切った状態で真空中で分子動力学計算した.計算時間は5psと長くしてある.並列化の効率が低下しているが,これは相互作用が鎖に沿って2次元的であるためだろう.物理4コアまでは計算時間は短くなっているが,hyperthreadingのある5〜8では寧ろ物理4コアより計算時間が遅くなっている.相互作用が2次元的な場合には,スレッド数は物理コア数までとするのがよいようだ.こうした系では,物理8コアの方が,hypethreadingで論理8コアとするよりも遥かに計算時間は短縮出来る.


2008年12月12日金曜日

Core i7とAthlon X2との比較

core i7とHyperthreadingの効果(2)


ポリエチレン1本鎖,重合度466
他の計算条件はcore i7とHyperthreadingの効果(1)とほぼ同じ.


ほぼ同じ原子数,密度であるが,連結されたことにより,計算時間が約3倍掛かっている.スレッド数に対する計算速度の向上の度合いは,(1)の場合と同程度.物理コア4+論理コア1の5スレッドでは一旦計算速度が低下するが,6~8スレッドで計算速度が向上するのも同じ現象.

8スレッドで,物理コア6個程度の計算速度になる.

2008年12月11日木曜日

Core i7とHyperthreadingの効果(1)


Core i7をMaterials Studio 4.3でベンチマークテストした.
【系】butane 100分子,密度〜0.8cm-3,Amorphous Cellで充填
【CPU】Core i7 940 2.93 GHz, 4 core
【計算法】MD,  NVT, 0.1ps, 298K
【力場】compass


スレッド数の逆数に対して,CPU timeをプロットした.

物理コア数と同じスレッド数4までは順調に伸びているが,スレッド5では4よりも速度が落ちる(グラフで跳ね上がっているところ).複数回実行しても同じ結果になった.スレッド6〜8は,物理コア並みの速度アップである.スレッド8で論理コア数8と同じになる.この時の速度は実質物理コア6程度ではないかと思われる.無機物や分子集合系のシミュレーションでは,コア数の効果は大きく,hyperthreadingも効く様である.

物理4コアまでの直線を外挿すると,物理6コアで3.60 s,物理8コアで2.97 sとなった.